便潜血検査で血が混じっていた!
健康診断やドックを受診されると、便潜血検査という便に血液が混じっているかどうか調べる検査があります。たいていは2日分の便を採って検査に出すのですが、その目的をご存知ですか?
便潜血検査の目的は「大腸がんの早期発見」です。大腸がんがあると便に目に見えないくらいの血液が混じる可能性が高くなります。進行すると目に見える赤い血液が便に混じることもあります。便を2日分調べるのは何故でしょう?もし1日分だけだと万が一大腸がんがある場合でもたまたま血が混じらないようなことがあって早期発見できなくなることがあるからです。2日分調べれば、少ししか血が混じらないような場合でもひっかけることができる、ということなのです。
少しで大腸がん検出の精度を上げるために複数回の検査にしているわけですから、一度でも陽性が出れば精密検査すべきです。
もちろん、便潜血検査で陽性となった方全員に大腸がんがあるわけではなく、ほとんどの方は小さな良性のポリープであったり、切れ痔であったりするわけです。でも、その中にやはり完全に治せるくらいの状態で大腸がんが見つかる方も混じっています。
精密検査で一番良いのは大腸内視鏡検査です。苦しいとか痛いとか検査に関する不安をお持ちの方も多いとは思いますが、軽い麻酔の薬を使って眠っている間に検査を終わらせることも可能です。検査前に便をきれいに洗い流すための下剤を飲んでいただかなければなりませんが、万が一大腸がんがあっても、完全に治してしまうことができる状態で早期発見するために、便潜血検査で陽性が出た方は勇気を出して精密検査を受けてみてください。当院ではポリープが見つかった場合でもその場で切除してしまうことも可能です。