消化器・肝臓疾患について

代表的な消化器・肝臓疾患

逆流性食道炎

逆流性食道炎

生活スタイルの欧米化、ピロリ菌感染率の低下で胃酸が活発に働いている人が多くなっていることなどから、近年患者数の増えている病気です。
胸やけ、胸の痛み、げっぷ、飲み込んだときのひっかかり感、咳、耳鳴りといった症状を伴います。症状と内視鏡所見から診断します。
胃酸の分泌を抑える薬を使った治療が基本ですが、食事習慣の改善も欠かせません。食べ過ぎないこと、食べてから3時間は横にならないこと、アルコール・刺激物・脂肪分の多いものを控える、など。これらの改善に取り組まなければ、再発の可能性が高くなります。
漢方薬が有効である場合もあります。

食道胃静脈瘤

肝硬変の合併症であり、症状はありません。ただ、放置していると静脈瘤の破裂で出血を起こし、死に至ることもあります。
長く肝臓に疾患を抱えている方は、内視鏡検査を受けることをお勧めします。静脈瘤が小さいうちに、内視鏡で予め潰しておく治療が一般的です。

慢性胃炎

日本人の慢性胃炎のほとんどが、ピロリ菌感染によるものです。
放置していると、胃がんの発生率の上昇が見られます。内服薬によるピロリ菌除菌を行うことで、胃がんの発生率が3分の1になるというデータも報告されています。
ピロリ菌の除菌について、詳しくはこちら

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃の周辺の痛み、吐き気、便が真っ黒といったものが主な症状ですが、まったく症状がない方もいらっしゃいます。
胃酸の分泌を抑える薬の内服で治療します。出血のある潰瘍の場合には内視鏡による止血、あるいは血管造影の主義や回復手術が必要になることもあります。
慢性胃炎と同様に、ピロリ菌感染が主な原因となっています。ピロリ菌の除菌の他、アスピリンや鎮痛薬などを使用した治療を行うこともあります。
また、ピロリ菌の感染が認められる場合には、前もって除菌治療を済ませておくことで、アスピリンや鎮痛薬による潰瘍の予防効果がある、というデータも報告されています。

大腸ポリープ

大腸ポリープ

大腸の粘膜壁に、いぼのようなものができている状態です。ほとんどは腺腫という良性の腫瘍です。ただ、この良性の腫瘍であっても、大きくなるとがん化することがあります。
5ミリ以上の大腸ポリープは切除しておくべき、というのが現在の一般的な考え方です。がん化したものであっても、がん細胞が粘膜内に留まっている場合であれば、内視鏡による切除が可能です。
自覚できるような症状が現れることはまずありません。ただし、大きくなったポリープはそれだけ傷つきやすくなりますので、出血し、便に血が混じることがあります。便潜血検査で陽性となった方は、大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。

食道がん

大きなリスク因子となっているのが、喫煙、飲酒です。また、過度に熱いものを食べたり飲んだりすることも、食道がんのリスク因子になると言われています。
飲み込んだときの胸の奥の痛み、しみる感じ、つかえる感じ、といった症状が現れます。
内視鏡検査により発見できます。

胃がん

死因となる消化器がんの中で多いのが、胃がんです。
早期にはほとんど症状がなく、徐々に出血、胃痛、食欲不振、貧血などが現れます。ほとんどの胃がんは、内視鏡検査により正確に診断することができます。
ピロリ菌感染、塩分の過剰摂取、焼き肉や焼き魚の摂取、喫煙などが原因になります。

大腸がん

大腸がん

近年国内で大腸がんを原因とする死亡者数が増加しています。
50代から増え、60代、70代で発症者数のピークを迎えますが、若い方にも起こります。また、早期であれば完治の望めるがんです。便潜血などの定期的な検査が大切です。
早期にはほぼ症状がなく、進行すると便に赤い血が混じったり、便秘・下痢を繰り返したり、腹痛を起こすことがあります。
国内で患者数が増えている原因としては、食生活の欧米化が挙げられます。食物繊維不足による便秘、腸内環境の悪化、脂肪摂取量の増加などです。
また、大腸がん患者の10~20人に1人は、同一家系内に大腸がん患者がいるというデータが報告されています。その他、運動不足で内臓脂肪が多い方、糖尿病の方、潰瘍性大腸炎の方、飲酒・喫煙習慣のある方も、大腸がんのリスクが高いと言えます。

膵臓がん

膵臓は胃の後ろに位置し、消化液の産生、血糖を調整するホルモンの産生などの機能を担っています。
膵臓癌の家族歴、糖尿病、肥満、慢性膵炎、遺伝性膵炎、膵管内乳頭粘液性腫瘍、喫煙などがリスク要因となります。
胃痛や背中の痛み、食欲不振といった症状がありますが、他に特徴的な症状がないため、発見が遅れがちです。正確に診断をするためには、超音波検診、CT、MRIなどの検査が必要です。腫瘍マーカーは、早期すい臓がんに反応しないこともあります。
手術によるがんの切除が基本ですが、手術ができない、手術をしない方が良いケースもあるのが現状です。

胆石症

胆石症

食事による刺激で胆汁が胆管から十二指腸に流れますが、このどこかに結石ができることがあります。胆嚢にできたものを胆嚢結石、胆管にできたものを胆管結石と呼びます。それぞれ石の成分によって、コレステロール結石と色素結石に分けられますが、近年食生活の欧米化から、コレステロール結石の割合が増加しています。
胆嚢結石は半数以上のケースで自覚症状がありませんが、発作が起きたときには右上腹部、右肩、背中に痛みが出ることがあります。また、胆嚢炎を合併すると発熱を伴います。
胆管結石は症状が出やすく、上腹部の痛みや黄疸、吐き気、発熱などを伴います。胆管炎を合併するとショックや意識障害を起こし、命に関わる状態に陥ることもあります。
胆石症は、超音波検査がもっとも簡単であり、分かりやすい検査です。治療では、薬物療法、内視鏡による手術、腹腔鏡手術が主となります。

C型肝炎

C型肝炎ウイルスに感染して起こります。高い確率で肝炎を起こし、肝硬変、肝臓がんへと進展することもあります。
自覚症状はほとんどありません。現在考えられる主な感染原因は、性交渉、(覚醒剤注射などの)注射器の使いまわし、ピアスや入れ墨に使用した器具の不衛生などです。過去に行われた輸血、医療行為で感染された方も多いと言われています。健診、人間ドックなどでC型肝炎の有無を確認されることをお勧めします。
当院では、年齢やウイルスの遺伝子型、ウイルス量に応じた最新の治療を行います。

B型肝炎

B型肝炎

B型肝炎ウイルスに感染して起こります。肝炎、肝硬変、肝臓がんを引き起こすこともあります。ワクチン接種や妊娠時の血液検査によって新たに感染する方は減りましたが、未だ国内には100万人以上の感染者がいると言われています。
自覚症状はほとんどありません。現在考えられる感染原因として、母子感染、性交渉、不衛生な医療器具を介したものなどが挙げられます。
年齢、ウイルスの遺伝子型、ウイルス量、各種ウイルスマーカーを組み合わせて正確に診断し、病状の進行を押しとどめることが可能です。インターフェロンや核酸アナログ製剤を使用しつつ、身体の免疫力をうまく利用する方法が主になりますが、病状によって治療法は異なり、治療経験の豊富な医師に相談されるのが良いでしょう。

肝硬変

肝臓の炎症が続き、その機能を十分に果たせなくなった状態です。肝臓でがんが発生するリスクが高まる他、食道や胃に静脈瘤が生じる方もいらっしゃいます。静脈瘤は破裂すると大出血を起こし、ときに命を脅かします。
肝硬変は、症状がほとんどない「代償性肝硬変」と、腹水や黄疸によって日常生活に支障をきたす「非代償性肝硬変」に分けられます。
多くの肝硬変が、C型肝炎、B型肝炎、アルコール性肝障害を原因としています。
C型肝炎を原因として代償性肝硬変を起こしている場合には、インターフェロン治療、内服による治療で改善が可能です。
B型肝炎を原因としている場合には、ウイルス増殖を抑える核酸アナログ治療による改善が可能です。
アルコール性肝障害による肝硬変は、断酒以外に有効な治療法がないのが現状です。
近年、分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤の内服によって肝硬変の予後が改善することが明らかになりました。血中アルブミン値が低下している肝硬変の方は、分岐鎖アミノ酸製剤の内服が有効だと思われます。

炎症性腸疾患

大腸あるいは小腸の粘膜に炎症・潰瘍を引き起こす、原因不明の疾患です。潰瘍性大腸炎やクローン病もここに分類されます。
下痢、血便、腹痛などが続きますが、専門家による適切な治療を受ければ通常の日常生活を送ることができるようになります。

潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜にびらん、潰瘍ができる炎症性の疾患です。原因は不明とされていますが、遺伝的要因、食生活などの要因が絡み合って起こるのではないかと考えられます。
下痢、頻繁な腹痛、排便時の出血などを伴います。X線検査、内視鏡検査で診断します。
20~24歳の男性、25~29歳の女性に多く発症しますが、ご高齢の方にも見られます。
基本的に薬物療法による治療が行われますが、十分に効果が得られない場合、重症の場合には手術が必要となります。
薬物療法では、5-アミノサリチル酸薬(5-ASA)、副腎皮質ステロイド薬、免疫調整剤、抗TNFα受容体拮抗薬インフリキシマブなどを病状によって使い分けることが重要です。異常活性した白血球を取り除くLCAP(白血球除去療法)、GCAP(顆粒球除去療法)が行われることもあります。

クローン病

クローン病

小腸および大腸の粘膜に炎症・潰瘍が生じる炎症性疾患です。
原因不明とされていますが、食事成分、異物、病原体などの侵入とそれらに対する免疫の異常反応が関わっているのではないかと考えられます。
腹痛、下痢、血便、体重減少などの症状を伴います。20~24歳の男性、15~19歳の女性が多く発症します。X線検査、内視鏡検査で診断します。
腸管に起こる瘻孔(新たな通り道ができてしまう)、狭窄(狭くなる)、膿瘍(膿がたまる)の他、関節炎、虹彩炎、結節性紅斑、肛門部病変といった合併症もよく見られます。
栄養療法、薬物療法を組み合わせた治療が基本です。完全な治癒は困難で、寛解(症状が安定している状態)をいかに長く持続させるかが大切です。
5-アミノサリチル酸薬(5-ASA)、副腎皮質ステロイド薬、免疫調整剤、抗TNFα受容体拮抗薬:インフリキシマブなどを適切に選択・使用しつつ、普段の食事からの刺激を取り除きます。
潰瘍性大腸炎と同様に、異常活性した炎症の原因となる白血球を血液中から取り除くLCAP(白血球除去療法)、GCAP(顆粒球除去療法)も選択肢のうちの1つです。腸閉塞、先行、大量出血が起きたときには、手術を行います。

ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌とは

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ=Helicobacter pylori)は、胃に生息する細菌であり、感染すると慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどの疾患を引き起こすリスクが高まります。
内服での除菌により、それらのリスクを抑えることができます。

※健康保険を使ってピロリ菌の治療(除菌)を行うためには、内視鏡検査を受けていただく必要があります。なお、他医療機関で内視鏡検査を受けた方が、当院で保険適用のピロリ菌治療を行うことも可能です。

ピロリ菌除菌治療

胃酸の分泌を抑えるお薬と、抗菌薬を使用します。

  • 一次除菌

    胃酸の分泌を抑えるお薬を1種類、抗菌薬を2種類の計3種類を1日2回、7日間連続して服用します。
    内服を終了し4週間以上経過してから、除菌の成否を確認する検査を行い、除菌ができてれば治療は終了です。不完全であれば、二次除菌へと進みます。

  • 二次除菌

    一次除菌で使用した薬のうち、抗菌薬の1種類を別の薬に替えて、再び7日間の除菌治療を行います。
    ほとんどの方が、二次除菌で治療を終了できますが、稀に3次除菌、4次除菌が必要になることもあります。3次除菌以降は、保険適用外の診療となります。

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