新型コロナワクチンに対して様々なデマが流れています。「コロナの遺伝子が体に組み込まれる」とか、「不妊になる」とか、ひどいものになれば「打てば死ぬ」とか「体に磁石がくっつくようになる」など。いまだに「ワクチンには感染を予防する効果はない」という声もききます。「ワクチンを打ったあとに熱が出たらカロナール(アセトアミノフェン)しか飲んだらダメ」という医療従事者もいるとのこと。

まずmRNAというのは非常に不安定なものであり体内に長くとどまることはできません。我々の細胞の核という場所に入っていくこともできません。またDNAからRNAという流れはあってもRNAからDNAという流れは体内では起こりえません。こんな注射ごときでコロナの遺伝子は体には組み込まれないことは科学的に明らかです。それより新型コロナに感染してしまったらmRNAどころか新型コロナの全遺伝子情報が体内に入ってきてそれが我々の細胞内で大量に増殖するわけです。感染してしまった場合でもウイルスの遺伝子が人の体に組み込まれることはないわけです。また、ワクチンを接種された女性の追跡調査の結果から不妊になるということはないということもわかっています。人が亡くなるのはどんな時でもつらいことですが、残念ながら現在でも日本では毎日のように何らかの原因で1000人単位の人が亡くなっていました。たまたまワクチンを打った後に何らかの原因で亡くなられる人もいらっしゃいますが、「ワクチンを打った後に亡くなられる」のと「ワクチンが原因で亡くなられる」のとは全く意味が異なります。これを区別せずにあえて紛らわしく報道するマスコミの姿勢には怒りさえおぼえます。ワクチンが世界中で何億人もの人に接種されて、感染しても重症化しなくなる効果だけではなく感染そのものを防ぐ効果もあることがはっきりとわかってきています。最後にワクチン接種後に発熱した場合に内服する解熱剤は何でもいいのです。カロナールでも、ロキソニンでも、これまでに使ったことのある解熱鎮痛剤で大丈夫です。コロナに感染して熱が出るのとワクチンで熱が出るのとは全然違うわけです。それを一緒にして考えてはいけません。

上嶋内科・消化器科クリニック