風邪(感冒)はウイルスが原因の病気です
この時期、風邪をひく方が非常に多いです。風邪というのはウイルスが原因の病気で、のどが痛くなったり、鼻汁が出たり、咳をしたりという症状がでるものです。中には「熱っぽい」という症状を「風邪」と表現してこられる方もおられますが、熱はあらゆる病気で出ます。のども痛くない、鼻汁も出ない、という状態で熱があるだけで風邪だと思っていわゆる風邪薬を飲んだり、病院を受診しても「風邪です!」としか言ってくださらなかったりするのは大変危険です。また、風邪はウイルスが原因ですが、風邪の原因になるウイルスを消せる薬は世の中に存在しません。いまだに半数以上の病院で風邪に対して抗生物質が処方されているらしいですが、抗生物質というのはウイルスではなく細菌を消すための薬です。ウイルスが原因の風邪に対しては全く関係のない薬です。関係のない薬ということは、それを飲んでも早く治ることはないということです。風邪に対してどんどん抗生物質が処方されている現状には悲しくもありあまりにひどい現状に怒りさえわいてきます。ただし、先ほど書きましたように皆さんが風邪だと思い込んでいる病気の中に風邪ではないものが含まれています。別の病気であれば抗生物質が効く場合もあります。それを見分けるのが我々医師の仕事です。受診されたときには診察にご協力ください。